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安保法廃止の意見書に対する賛成討論

2015.10.13 9月定例会議(チームしが県議団 山本 正)

 

意見書第 14 号 討論
平和安全法制関連法の強行採決に抗議し、同関連法の廃止を求める意見書(案)
について賛成の立場から討論します。

 

 戦後70年の日本が世界に誇るべきは、一貫した平和主義と成熟した民主主義であります。しかし、今回の関連法が憲法違反という声の中で、国民の理解が得られないままに強行採決されたことによって、そのどちらもが踏みにじられたのではないでしょうか。
平和安全法制関連法(以下同関連法)の廃止を求める意見書案に賛成する理由は大きく4点あります。

 

【憲法違反】
 まず、同関連法は、憲法違反であるということです。国会のいくつもの審議の場で憲法違反を指摘されながらも、ついに、どの場面においても納得できる説明が為されませんでした。
 同時に、なぜ集団的自衛権を行使する必要があるのか、法案の目的すら不明確になり、審議が進むにつれて、成立させるべきではないということが、明らかになりました。
 また、憲法違反指摘の例については、意見書案に紹介された以外にも、衆院憲法審査会において参考人招致された憲法学者3人が揃って違憲であると発言されたことや憲法「判例100選」執筆の憲法学者へのアンケートで回答のあった121人のうち、実に119人・98.3%の人が違憲または違憲の疑いがあるとされています。
戦後70年、歴代内閣が頑なに護り通してきた憲法解釈、「戦争放棄」と「専守防衛」が、私たちの社会にもたらした功績はあまりにも大きく、日本の平和主義が世界の国々に認められ、ここまでの平和と繁栄を作り上げてきた、支えてきたと言えます。
武力ではなく、一貫した平和主義こそが、戦争やテロの標的にされず、最大の抑止力であり、経済発展の最大の要因であったとも言えます。
 日本の安全保障は、これまで憲法と日米安保条約との間でバランスを保ちながら進化してきた道のりがあります。今回の関連法の成立によって、その緊張感もバランスも崩れ、日本の安全保障は、憲法側から日米安保条約に大きく傾くことになることでしょう。平和国家としての歩みが、70 年間の積み重ねが、この関連法の成立によって、まさに水泡に帰すのではないかと危惧するものです。
 一方で、審議期間中、磯崎首相補佐官から出た言葉に「法的安定性は関係ない」というものがありました。これは防衛や軍備が最優先であり、憲法との整合性は二の次であるというものです。国民の多くは、「法的安定性は関係ない」という、この言葉こそが、内閣の本音であり、関連法の設計思想であると受取ったことでしょう。
日本は法治国家です。民主主義国家でもあります。法律や条例によって社会のルールが定められ、その最高法規が憲法であり、法律も行政内閣もこれを超えて存在することは許されません。
 国民を守るために、権力者の暴走を許さないために憲法があります。憲法違反であると指摘を受けながら明確な説明がないままに強行採決された法に対して、立憲主義をないがしろにした法に対して、私たちは強く廃止を求めるものです。

【強行採決】
 次に、今回の同関連法の成立が強行採決であったことです。
冒頭に申し上げた通り、戦後70年の日本が世界に誇るべきは平和の堅持と民主主義の成熟であります。
 数に任せた結果ありきの審議、単なる多数決ではなくて、審議を通じ、内容が十分につまびらかにされた上で、課題を抽出し、どの対策がいいのか、どの道がいいのか、十分に議論し審議した上で採決をするというのが成熟した民主主義です。
 今回、さまざまな疑問点や指摘を受けながら、最後まで明確な答弁が得られず、議論が空回りしたこと。総理自身が、国民の理解は進んでいないと言いながらの採決であったこと。秘密保護法を盾に取り、黒塗りだらけの資料が提出され、自衛隊の活動が詳らかにされませんでした。この秘密保護法も以前に同内閣によって強行採決されたものです。
 また、審議も始まらない4月に、アメリカ議会での演説において、安倍総理は「夏までに必ず実現する」と約束して来ました。国会の軽視、主権者たる国民の軽視の最たるものと言えます。
約8割の国民が、理解は進んでいないという中にあっても、「成立すれば、いずれわかる」とする総理の姿勢、質問者に「まあいいじゃん、そんなことは」とか、「早く質問しろよ」とヤジを飛ばして質問を遮る総理の姿勢、おおよそ民主主義の精神からかけ離れたものです。そんな中で、議論が尽くされることなく、国民の理解を得られることもなく、強行採決されたということからも強く廃止を求めるものです。

【戦争への反省】
 次に、廃止を求める理由として「戦争への反省と教訓」が挙げられます。
310万人という世界大戦で最も多くの犠牲者を出した日本、同時に世界で唯一の被爆国です。原爆によって、突然、2000℃の熱波が一瞬にして地上を焼き尽くし、人類史上最悪の殺戮と破壊が行われました。想像もつかない凄惨な状況の中で、広島20万人、長崎14万人もの犠牲者が出ました。
「2度と戦争をしてはならない」、「どんなことがあっても、戦争というものには一歩も近づいてはならない」、戦争の凄惨さ、悲惨さ、筆舌に尽くしがたい悲しみを、私たちは先人から教えられ、尊い犠牲と引き換えに、さまざまな教訓という形で受け継いでいるはずです。だからこそ、戦争放棄を柱とした憲法が生まれ、戦後70年の世界に誇るべき平和国家としての歴史を刻んで来ました。
 成立した関連法では、地球規模の後方支援や他国軍への弾薬提供などが盛り込まれています。まさに、アメリカの戦争の後押しをするような今回の関連法の成立は、先の大戦で犠牲となられた方々の教訓を踏みにじるものであり、決して許されるものではありません。

【未来への責任】
 次に、「未来への責任、次世代につけを残さない。」という観点からも廃止を求めるものです。
 現代の日本は、自給自足で成り立つ国ではありません。産業の原材料となる資源はもとより、消費する食料やエネルギーだけでも、そのほとんどを世界の国々に頼っています。食料自給率は約39%に過ぎません。また、エネルギー全体では約96%を、ガソリンを始めとする原油に至っては約99%を海外に依存しています。
 終戦後、日本の社会は、焼け野原と深刻な食糧難、エネルギー不足から立ち上がり、やがて間もなく大きな経済成長を遂げて行きますが、それを支えたのが、世界から認められた平和国家としてのスタンスでした。
 日本の国を守ることは、武力ではなくて平和国家としての信頼感を世界に示すことにあります。世界中の国々と良好な関係を築くことにあります。
それが資源のない国・日本が、唯一、生き残れる道と言えるかもしれません。
 未来への責任として、私たちが享受している平和と繁栄を次世代へつなぐために、この関連法の廃止を強く求めるものです。

 

以上、平和安全法制関連法の強行採決に抗議し、同関連法の廃止を求める意見書(案)についての賛成討論といたします。議員各位の賛同をお願いします。
(2015.10.13 山本正)

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